●「(歌詞) 北河内慕情」
[朗読]
アイツの家は(淀川水系の)天然記念物を飼っていた。
法律違反じゃないのかと訊いてみたらば、記念物になる前から飼ってたら大丈夫。
警察にもお墨付きをもらっているらしい、ほんまかいな!?
そんな悠長な少年時代の記憶なのです。
[Intro]
[A 冬-->春]
生駒おろしが身に沁みる ここは河内の北の果て
歩道橋を越えて 町外れのいつもの場所へ
田んぼのねきの畦道を 草を蹴散らし歩いて行くと
(国道沿いの)用水路はまだ冷たいままで
[B]
土手の途中(堤防脇の)の牛小屋では チビが大きくなっていた
生い茂る草をかき分けて 視界が開けたそしてその瞬間(とき)
揺れる水面に草木がざわめき お寺の鐘が始まりを告げた
[C]
(溜池の)主が跳ねたよ 紅白まだらの美しい鯉
今思えばそれほど大きくはなかったけど
僕らの心を虜にしたんだ
[Interval]
[A 夏-->秋]
秋の日差しを背に受けて 駄菓子を詰めて北へ向かった
用水路の先に「進入禁止」の立札が付いた
鉄の鎖を乗り越えて 土手の麓のいつもの場所へ
(心配を他所に)その景色はまだ変わらぬままで
[B]
おやつを口に頬張って 糸を垂らしてジッと待った
不意にウキが沈み込み 合わせた途端しなるヘラ竿
揺れる水面に草木のざわめき お寺の鐘が終わりを告げた
[C]
(溜池で)主が釣れたよ 紅白まだらの美しい鯉
僕らはそいつを淀川へ逃がした
冬には此処へも来れなくなるから
(溜池の)主が消えたよ 紅白まだらの美しい鯉
今は埋立て跡形もないけど
みんないつか戻れるはずさ故郷を想へば 故郷を想へば 故郷を想へば